好奇心(若松英輔)

好奇心を持つのはよいことである、と教わってきた。事実、世の中は好奇心を刺激するもので満ちている。目を引く、変わった、衝撃的なものによって他者の関心を集めようとする。事実を偽り、捏造することすら試みる人たちもいる。 そのいっぽうで好奇心を強く戒める人たちがいる。哲学者のハンナ・アーレントはそのひとりだ。